今国会法案提案が延期となった(T_T)労働基準法改正案の解説続きです。
⑤つながらない権利
勤務時間外に業務連絡に応じなくても不利益を受けない権利です。業務が終了したら電話には出ない・LINEもメールにも対応しない!でも問題ない となります。
⑥週44時間労働の特例措置の禁止
商業(卸売・小売・理美容業・倉庫業他)映画・演劇業・保健衛生業(病院・診療所・社会福祉施設他)接客娯楽業(旅館・飲食店・ゴルフ場他)で常時10人未満の労働者を使用する事業場については1日8時間、週44時間を所定労働時間とする特例措置がありますが、それが廃止になる案です。
⑦管理・監督者の時間管理義務
管理監督者も通常の労働者同様の時間管理が必要になります。
と、主に7つの論点になります。
では、企業はどのように対応していけばよいかといいますと…
①休日・連続勤務の上限見直し…ほどんどの企業は何らかの週休2日制を採用しております。現行で週休1日の企業は10%未満です。さらに4週4休は管理が非常に煩雑で(賃金の支払は1ヶ月単位ですが4週4休で28日毎に起算日が異なるので、賃金の締めとまったく別に管理をする必要がある)採用している企業は少数化と思います。そもそも4週4休制度を採用していない企業には関係ありません。
②法定休日の明確化…法改正がある・ないにかかわらず、給与計算時に迷わなくてもよいように設定しましょう
③勤務間インターバル制度‥長時間労働を常態とする企業が問題となります。時間外労働の上限規制もあるので、長時間労働が状態となる会社風土は変えていきたいですね(この改革は法改正以前に非常に難しい問題になります)
④有給休暇の計算方法の改正…平均賃金を採用している対象者の多くは時給労働者で、シフト制など1日の所定労働時間が均一でない方だと思います。「その日のシフトは何時間なのか?」という労務管理が重要になってきます。正社員の方についてはほとんど影響ないかと。
⑤つながらない権利…法改正がある・ないにかかわらず、時間外に連絡できないことのペナルティはない方がよいです。社内風土を変えていきましょう
⑥週44時間特例の廃止…そもそも採用企業が少ないために廃止になりました。
⑦管理監督者の時間把握…安全衛生法での健康時間把握のためにも法改正がある・ないにかかわらず行ってください
と、法改正がある・ないにかかわらず行ってほしい内容(だから義務にするのですが)採用企業が少ないので廃止となる内容、あまりに古い慣例が生きていたのでバージョンアップがほとんどです。改正によって多くの企業で影響がでそうなのは、有給の計算方法かな?とは思います。今国会では法案提出はなくなりましたが、①~⑦のうちほとんどは労働条件整備のために進めておくのはよい内容かと思います。

名古屋市守山区 特定社会保険労務士
吉川未佐子