大切にしているもの第3弾です GWも遠い昔になりましたが
エーリッヒ・フロム著 「愛するということ」

筋肉・時間と同じぐらい大事にしておりますよ(#^.^#)
世の中には「愛されること」に関するノウハウ・知識・書籍は満ち溢れております。その根底には、愛されるのには条件があり、それを満たせば、自然と愛されるようになる!そうすれば自分も愛するようになるという、発想がありませんか?そーーーじゃない!愛されるから愛する、ではなく、愛するから愛されるのです。
恋には落ちますが愛には落ちません。愛するのは技術です。愛することを習得するためには他の技術同様に、理論を学び、技術を磨き、訓練をする過程が必要です、と筆者は述べています。ただ、愛すればよいではなく、愛することで他の愛を生まなければ不幸な結果になります。筆者は与えることが与えられるという意味で愛せるかどうかは「配慮」「責任」「尊重」「知」が必要としています。
この本は「愛」について学ぶための参考本です。恋愛本ではありません。
愛する対象は「友愛」「親子愛」「恋愛」「自己愛」から「神への愛」までさまざまです。その愛の完成形や特徴は異なります。
たとえば、「友愛」と「恋愛」とは排他性が異なります。「恋愛」や「友愛」と「親子愛」の違いは将来、子が自分のもとから離れることを完成とする愛という意味で大きく異なります。(だから、親子愛は最も尊く、最も難しい愛と筆者はのべています。)
逆に、まったく性質が異なると思われる「自己愛」と「神への愛」については自分を愛することと他人を愛することは両立し、自分の個性を尊重し、自分を愛し、理解することは、他人を尊重し、愛し、理解することと切り離せません。
愛の性質を学んだ次には、愛を習練する方法です。
筆者は「ほかの技術を習得する方法と同じ」と述べております。すなわち規律、集中、忍耐、最後に技術の習得に最大限の関心を持つことです。具体的には、何よりもまず、相手の話を集中して聞くこと、自分に対して、相手に対して敏感になること、手近にある、ありとあらゆる理屈を持ち出して変化を容易に合理化しないこと、もちろん「気分が乗った時」だけでなく、規則正しくこれを続けることになります。
最後に重要なのは自分の愛に対する信念です。自分の愛は信頼に値し、他人の中に愛を生むことができると「信じる」ことです。この想い、持っているだけの人は結構いますが、それが妄信ではなく信念にするためには、理論に基づいたものが必要です。それが愛を習練する日々の積み重ねです。いっぱい練習しているから、このショットはグリーンに乗る!!という想いが、正しい練習に基づいているかどうかなんですよ。うーん わかりみが深い。
愛を習得対象とし、理論的に説明している非常に説得力のある一冊です。
ところで… 昔のサントリーオールドのCMのキャッチコピー「恋は遠い日の花火ではない」ってありましたが、歳を取ってこの言葉の深みが身に染みるようになりました(:_;)。別に何かあったわけではないですが
名古屋市守山区 特定社会保険労務士
吉川 未佐子