休むには長く学ぶには短いGW2025②

休むにも長くない!時間が足りない!タイパ重視、と思っているそこのあなた。動画を1.5倍で見ている、ZOOMセミナー聞きながら仕事している、車運転しながら、セミナー動画見ながらおにぎり食べて、1区間でも高速使って急いで帰って仕事する、そこのあなた。その先には何がありますか?

誰もが平等にある「時間」について考える一冊

オリバー・バークマン著「限りある時間の使い方」

人生はたった4000週間です。1年52週×80年。この限られた時間をどのように過ごすか。タイムスケジュールを立てて、効率的で生産的な行動をとっていれば、時間は有効活用できるのではないか?今あるタスクをすべて終わらせることができるのではないか?タスクをすべて終わらせたら、自分がほんとにやりたいことができるようになるのではないか?と私たちは考えがちです。

その考えは間違っていると著者は述べています。どれだけ工夫してもタスクはなくなりません。何倍速で映画を見ても「世の中のすべての映画を見る」というタスクは次々生まれる映画のスピードを超えることはできないように、あなたのタスクは次々うまれます。なので、うまくタイムマネジメントをしよう!と考えるのではなく、時間には限りがあるので、自分ができることは限界がある!と認めることが重要な一歩となります。

この「時間には限りがある」と認めるのは実は困難です。みなさんも、テストの前日にSNSをみたり、漫画をよんだり、自分で本当にやりたいことをやろとしても、ついつい他事やって時間が無くなって「明日にしよ」ってなりますよね。不思議とやりたいことは、やる気にならない、この不可解な問いの答えが時間の有限性です。自分の時間が有限で、コントロールできない事実に直面したくないので、重要なことをやりたくない、と著者は述べています。テスト勉強しても間に合わないという事実に直面したくないから、テスト前日に漫画をよんでいたのです。過去の私。

忙しさの依存から解放され、やらないことを決め、したいことを選択する、それが人生を豊かにします。すべての映画を見ようとして、倍速で見て、それでも間に合わず最初と最後しか見なくて、タスクをこなしていく人生がよいのか、お気に入りを探すために映画を見て、つまらなくても無駄と思わず、気に入った映画があれば何回もじっくりと観る人生がよいのか… できれば私は後者でありたいです。

 話は少し変わりますが、大阪万博は「並ばない万博」が掲げられ、様々なアプリで効率的にパビリオンを回れます、とうたわれていました(実際はがっつり並ぶようですが( ;∀;))これこそタイムマネジメントの害悪。並ぶ=時間の無駄と考えるので、アプリ作って効率化な話になります。そのアプリ作る開発費で並ぶ時間を楽しいものにすればよいのでは?と本読んで思う私です。そちらのほうが難しいのは重々承知しておりますが。

名古屋市守山区 特定社会保険労務士

吉川 未佐子

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