最低賃金改定といえばこの助成金!

 第69回中央最低賃金審議会で、今年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が発表されました。

答申のポイントは…、毎年ランク(※)ごとの目安が発表されるのですが今年度はAランク50円・Bランク50円・Cランク50円とすべて50円目安となりました。
※都道府県の経済実態に応じ、全都道府県をABCの3ランクに分けて、引上げ額の目安を提示している。現在、Aランクで6都府県、Bランクで28道府県、Cランクで13県となっています。

都道府県別の最低賃金についてはこれをもとに審議のうえ決定となります。

この時期多くお問い合わせいただく「最低賃金上がるのは仕方ないけど、何か助成金ありますか?」ですが、ございます!最低賃金引上げに際してご検討頂きたい助成金は「業務改善助成金」です。

業務改善助成金とは…

業務改善助成金は、生産性向上に資する設備投資等(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)を行うとともに、事業場内最低賃金を一定額(各コースに定める金額)以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成するものです。

対象となる事業場は・中小企業・小規模事業者であること・事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること・解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと となり、助成金の金額は設備投資額の愛知県の場合3/4(事業場規模30人未満は4/5)となり上限は下表のとおりとなります。

厚生労働省ホーム―ページより

 助成金支給の流れは、交付申請→交付決定(決定後に助成金対象設備の発注、納入)→事業完了後報告→助成金支給 となります(賃金アップ後6ヶ月後に報告が必要です)。助成金対象設備は交付決定後に発注になりますが、賃金引き上げは交付申請後ならOKです。

 最低賃金との関連ですが、賃金引き上げのタイミングは地域別最低賃金の発行日の全日までに引き上げればOKです。つまり…10/1より最低賃金が改定となる場合で20日締めの会社の場合、9/21より時給を変更している場合があるかと思います。この場合、最低賃金が50円UP(1027円⇒1077円)だった場合、改定後の事業場内最低賃金(1077円)より下の時給だった人(例えば1050円)が、50円アップ(1100円)した場合、9/21からの賃上げで助成金の対象となることになります。

生産性向上資する設備投資等が必要な助成金で対象外の設備もあるため、すべての事業所が対象となるとは考えにくいですが、何か設備投資を検討されている方がみえましたら、ご相談いただけばと思います。

名古屋市守山区 特定社会保険労務士

吉川未佐子

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