雇用保険制度見直し

先日ブログでもお伝えしました雇用保険制度の見直しについて、改正法が5月10日に可決成立しました。主な内容は、育児休業給付の安定的な財源確保や、教育訓練やリスキリング支援の充実、雇用保険の対象拡大になっています。

企業・従業員に直接関係する改正内容の時期を施行日別にまとめると

令和6年10月1日施行

  • 教育訓練給付の拡充

 専門実践教育訓練給付金について、教育訓練の受講後に賃金が上昇した場合には、現行の追加給付に加えて、さらに受講費等の10%(合計80%)を追加で支給する

 特定一般教育訓練給付について、資格取得し、就職等した場合には、受講費等の10%(合計50%)を追加で支給する

令和7年4月1日施行

  • 自己都合離職者の基本手当の給付制限の見直し

 正当な理由なく,自己の都合により離職する者に対する基本手当の給付制限について、現行の2ヵ月から1ヶ月に短縮します。ただし、5年間で3回以上正当な理由ない自己都合離職の場合には現行制度通り給付制限期間3ヵ月となります。

  • 育児休業給付の給付率引き上げ(出生後休業支援給付の創設)

 子の出生後一定の期間内に被保険者とその配偶者の両方が14日以上の育児休業を取得する場合に最大28日間「休業開始前賃金の13%相当額」を出生後休業支援給付として給付します。現行の育児休業給付67%と合わせて給付率80%となります。

  • 育児時短就業給付の創設

 2歳未満の子の養育の為時短勤務するものについて「時短勤務中に支払われた賃金額の10%」が支給されます。

  • 令和6年までの暫定措置の2年延長

 雇止めによる離職者の基本手当の給付日数に係る特例、地域延長給付、教育訓練支援給付金について令和9年3月末まで延長されます

  • 就業促進手当の見直し(1)就業手当廃止(2)就業促進定着手当の支給率の引き下げ

 令和7年10月1日施行

  • 教育訓練休暇給付金と教育訓練受講の為の融資制度の創設

令和10年10月1日施行

  • 雇用保険の適用拡大

1週間の所定労働時間が10時間以上の労働者まで雇用保険の適用が拡大されます

改正の内容は多いですが…雇用保険の適用拡大以外は大きな改正とは言えない気がします。異次元の少子化対策はどこに…

名古屋市守山区 特定社会保険労務士

吉川 未佐子

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