トラックでの荷役作業時における安全対策が強化されます

トラックでの荷役作業時における安全対策が強化されます

内容としては、「昇降設備の設置」「保護帽子の着用」「テールゲートリフター操作に係る特別教育」が義務付けられました

「昇降設備の設置」の改正は、これまでは最大積載量5トン以上の貨物自動車を対象としましたが、新たに最大積載量2トン以上5トン未満の貨物自動車において、荷役作業時の昇降設備の設置及び保護帽の着用が義務づけられるものです

「昇降設備」には踏み台等の可搬式のもののほか、貨物自動車に設置されている昇降用のステップ等が含まれます

「保護帽子の着用」の改正は、労働者に保護帽子を着用させる義務の対象となっている貨物自動車について、最大積載量5トン以上のものに加え、以下のものが追加されます

  • 最大積載量2トン以上5トン未満の貨物自動車であって、荷台の側面が構造上開放されているもの又は構造上開閉できるもの(平ボディ車・ウイング車等)
  • 最大積載量2トン以上5トン未満の貨物自動車で合ってテールゲートリフターが設置されているもの

労働安全衛生規則の改正理由は「危険防止」です。厚生労働省の安全衛生分科会の資料によると陸運業におけるトラックからの墜落・転落災害の死亡災害の現状分析では、最大積載量5トン以上のトラックからの災害が約5割、2トン以上5トン未満からの災害が約4割だったそうです 

 被災者のうち休業6ヶ月以上と重篤なものの7割は保護帽未着用でした

 保護帽の着用状況の分析では令和3年に起きた死亡事故10件のうち、最大積載量5トン未満トラックに起因する4件すべてにおいて、保護帽が適切に着用されていれば死亡に至らなかったと考えられ、保護帽を着用させていない事業者の5割は「法令の義務がないため」と回答したそうです

法令で義務化することで、重篤・死亡事故を防ぐ それが労働安全衛生関連の改正意義であるとわたくしは思います

本日もご安全に!

名古屋市守山区 特定社会保険労務士

吉川未佐子

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