実るほど首を垂れる稲穂かな

新年初の仕事は、お客様の従業員向けへのセミナーでした

背中がパツパツのわたくし

内容は、春に新卒の社員が入社するので、「今どきの若者の取扱いとハラスメントについて」

そこでお話をさせていただいたのが「ダニング=クルーガー効果」です

どーしてこれを「今どきの若者」で話をしたかといいますと、「今どきの若者」は自分を普通と思っている人が大多数だそうです 企業様の中でも「自分は普通だと思っている人が実は普通ではなく仕事ができなくて困っている」という話をよく聞きます これはその人のアイデンティティなのでしょうか?世代の問題なのでしょうか?

ダニング=クルーガー効果とは、能力の低い人が「実際の評価と自己評価を正しく認識できずに、誤った認識で自身を過大評価してしまう」認知バイアスのひとつ このバイアスは幅広い分野、世代で発生します もちろん皆さんにも私にも起こりえる認知バイアスです 世代・アイデンティティの問題ではありません

ダニングさんとクルーガーさんが共同で研究したのでダニング=クルーガー効果 この2人の研究者は文法や論法、ジョークなどのテストを実施し、各自の得点予想やほかの学生たちに比べてどのくらいできたのかを評価するよう求めるという実験を行いました

すると…

<一番低い得点を獲得した学生は、どれほど自分がよくできたかを大げさに吹聴した。(中略)最下位に近い得点を取った学生たちは、自分の技量を他の三分の二の学生たちより、一段とすぐれていると予測した。さらにやはり予想していたことだが、高い得点を獲得した学生たちは、自分の能力をより正確に認識していた。が、(聞いて驚かないでほしいのだが)もっとも高い得点を取ったグループは、他の者たちに比べて、自分の能力を若干低く見積もっていた>

要するに、「能力の低い人は他人の能力を認識できず自分のほうが優れていると考える」ということです 以前読んだ書籍でも傷害事件を起こして少年院に入っているのに「自分は優しい」と言っているのも同様です

ダニング=クルーガー効果には知恵の成熟度が増加するにつれて自身が変動していきます

ちょっと知ったかぶりで自身を付けた人が、その知識の山の大きさを知り、自身をすっかり失う その後コツコツ頑張って自身の正当な実力がわかっていく、そんな曲線ですね わたくしは首の骨が折れるほど頷いてしまいました

この認知バイアスを乗り越えるには

「対象となる能力についてのトレーニングを継続して受ける そして評価のフィードバック・客観的な評価を行える場を設けて事実を明確化することで錯覚と現実とのずれを改善できる」

継続した教育、そして客観的な評価が成長には必要です 

「我が社はちゃんと教育や評価を行っている!なのに従業員の認知バイアスが治らない!」と思っているあなた、「ちゃんと教育や評価を行っている」に認知バイアスがあるかもしれませんね(‘ω’)

加えて、高い得点をとったグループは他の者たちに比べて自分の得点を低く評価していたというは、非常に興味深いですね 「実ほど首を垂れる稲穂かな」

肝に銘じます

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