勉強会の講師です

私が日頃参加しております労働問題研究会の勉強会がありまして、本日は私が講師の番となりました

テーマは「私生活の非違行為を理由とする解雇」です

題材となる判例をもとに意見を出し合うのですが、この裁判の内容とは、鉄道事業者に勤務し、その勤務している鉄道内で痴漢行為を行い逮捕され、罰金刑の略式命令を受けた原告に対して、鉄道会社は諭旨解雇処分を行い解雇したことについての妥当性についてです

裁判所の判断は…

「従業員の私生活上の非行であっても、会社の企業秩序に直接の関連を有するもの及び企業の社会的評価の毀損をもたらすと客観的に認められるものについては、企業秩序維持のための懲戒の対象となりえるものというべきである」とし労働者の私生活上(プライベート)の行為であっても使用者による懲戒の対象となることを認めています

ただ、諭旨解雇処分については重過ぎると判断しています【詳しい理由は割愛しますが判断材料としては①略式命令は比較的軽い刑である(痴漢がゆるされない行為であることは当然ですが)⓶企業の悪影響は大きくなかった③行為の悪質性・原告の役職・日頃の勤務態度・隠ぺいしようとしたかなど総合的に判断しないことは懲戒決定方法としては不合理(会社は刑事処分が下されたかどうかだけで懲戒処分を決定していた)④懲戒処分に対しての弁明の機会が十分に与えられていなかった となっています】

実務でよくあるのがプライベートな「飲酒運転」や「暴行(けんか)」ですが、まず「企業秩序に直接の関連がある」「企業に実害があった」の2点で懲戒処分対象となりえるかどうかの判断が必要となります

そして、重い懲戒処分(特に解雇を伴う処分)は慎重に決定しなければなりません 処罰感情にもよりますが、退職勧奨や普通解雇処分ではだめなのか?は常に選択肢に入れておくべきでしょう 

というような意見交換をしておりました

勉強会が終わったら…

ちょっと懇親会

こんな時期なので、人と会って話をするだけでもすごく刺激をうけます 早く楽しく飲み会ができるような世の中にもどってほしいです

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