雇用保険制度改定の方針が示されました その2

前回の続きです

高年齢雇用継続給付について

●現行(令和7年3月まで)は賃金の額が、被保険者が60歳に達した日を離職日とみなして算定した賃金日額に30を乗じて得た額(以下「みなし賃金月額」という。)の61%相当額未満の場合には、給付率は15%となっております。改正後(令和7年4月から)賃金の額が、「みなし賃金月額」の64%相当額未満の場合には、給付率は10%となります。

この改正案では、賃金の額がみなし賃金月額の64%から75%相当額未満となる場合について、みなし賃金月額に対する賃金の額の割合が逓増する程度に応じ、10%から一定の割合で逓減するように厚生労働省令で定める給付率を定めることとしています。

高齢者雇用継続給付についてはあり方について検討が引き続き行われるそうで、将来廃止が検討されると思われます

育児休業給付について

●令和7年度よりこの出生後一定期間に、被保険者とその配偶者がともに一定期間以上の育児休業を取得した場合には、28日を限度として休業開始前賃金の80%相当の給付がされるようになります。具体的には、子の出生直後の一定期間(男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内)に14日以上の育児休業を取得する場合に、休業開始前賃金の13%相当額を出生後休業支援給付金(仮称)として給付することになりようです。

原則としては被保険者とその配偶者の両者が育児休業を取得していることが要件ですが、配偶者が産前産後休業を取得している場合や、雇用者以外(自営等)の働き方で就業している場合などは配偶者の育児休業の取得を要件とはなりません。

育児短時短就業給付(仮称)について

●育児休業給付とは別に、被保険者が2歳未満の子を養育するために時短勤務をしている場合の新たな給付として令和7年度から、育児短時間就業給付(仮称)が創設されます。給付対象となる時短勤務の労働時間又は労働する日数について、制限は設けず、給付率は時短勤務中の各月に支払われた賃金の10%となります(給付額と賃金額の合計が時短勤務開始前の賃金を超えないように一定の賃金額を超えた場合には支給額は減少します)

そのほか教育訓練給付も拡充されます

時代に合わせて保険制度の改定がされるというイメージですね

名古屋市守山区 特定社会保険労務士

吉川 未佐子

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