上司「社内コミュニケーションの一環で忘年会に参加してください」新入社員「では残業代はでるのですか?」というやり取りがあった。というエピソードがコロナ前に話題となりました。(最近は、夜に出かけられないパートさんなどにも配慮して、業務時間中にバーベキュー大会などで最初から勤務時間として扱っている企業様も増えました(‘◇’))
ここ数年、会社の忘年会が中止となっておりましたが、「今年は全員集まってやるぞ!」という企業様が増えているように感じます。
そこで冒頭のようなご質問を受けまして、今一度「忘年会は労働時間ですか?」を検討してみることにします。
そもそも労働時間とは、三菱重工長崎造船所事件の最高裁判決より
労働基準法32条の労働時間(以下「労働基準法上の労働時間」という。)とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではないと解するのが相当である。
そして、労働者が、就業を命じられた業務の準備行為等を事業所内において行うことを使用者から義務付けられ、又はこれを余儀なくされたときは、当該行為を所定労働時間外において行うものとされている場合であっても、当該行為は、特段の事情のない限り、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができ、当該行為に要した時間は、それが社会通念上必要と認められるものである限り、労働基準法上の労働時間に該当すると解される。
となります。「労働している」時間ではなくて「使用者の指揮命令下に置かれている」が労働時間の判断基準となります
これを忘年会に置き換えて整理すると、忘年会への出席が指揮命令下となるかどうかは
- 忘年会の出席が(実質的に)強制されている 例)業務発表等があり、欠席ができない、必ず出席するようにお知らせに記載がある など
- 出席しないことで(実質的に)不利益がある 例)欠勤控除はないが、実質賞与の査定にマイナス評定となる 欠席したために本採用されなかった など
となります
企業からしたら飲み会のお金出した上に、行きたくない飲み会無理やり連れて行かされた、なんて言われてはかわいそうで涙が出ます(T_T) それなら参加しなくていいよ!ってなりません?
今年もあと1ヶ月です 気持ちよく年越しを迎えたいですね
名古屋市守山区 特定社会保険労務士
吉川 未佐子